メラトニンは脳の松果体において生合成されるホルモンで、
「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。

人が太陽の光を浴びると、脳は朝が来た事を認識し、その信号が体内時計に働きかけることで、脳はメラトニンを生成する酵素の働きを抑制しメラトニンの分泌を止めます。

つまり、太陽光などの明るい光が体内時計に働きかけることで、
休息状態（メラトニン）から活動状態（セロトニン）へとホルモンをスイッチします。

そして活動状態へとリセットされてから16時間程度経過し、太陽が沈み暗くなることで、脳が「夜になった」事を認識し、酵素が活性化されていき、松果体は再びメラトニンを徐々に分泌していき睡眠状態へと体を導いて行きます。

メラトニンは昼間ほとんど分泌されず、夕方から夜間にかけて多く分泌されるようになっていますので光の量とメラトニンの分泌バランスは相互に関係し合い、質のいい睡眠には、そのバランスが重要であることがわかります。

しかし、太陽の光だけではなく、蛍光灯の照明や、パソコンやスマートフォンの画面の光などによっても体内時計は影響を受け、睡眠覚醒リズムが乱れる要因となります。

逆を返せば光の調整によって、個人レベルでのメラトニンの調整が可能という事にもなります。
毎日決まった時間に起き、夜はなるべく間接照明などを利用して強い光を浴びないようにしたり、夜更かしや夜間のデスクワークを控える事で各段に睡眠導入の質を上げる事が出来ます。

しかし、そんな睡眠に必要不可欠であるメラトニンも、年齢と共に分泌量が減少し睡眠覚醒リズムを乱していきます。
歳を取ると朝早く目が覚めたり、眠りが浅くなり何度も目を覚ましてしまうのもその原因の一つと言えます。

人間の睡眠にメラトニンは必要不可欠なものであるだけでなく、抗酸化作用、抗がん作用、脂質代謝への影響、性成熟の抑制作用など多くの作用を持っていることからメラトニンの減少は、睡眠の質の低下だけではなく生活習慣病を引き起こし、その他の疾患にかかるリスクを倍増させます。

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